2025/11/25 07:45
“フルーツポマンダー”
Pomme d'Ambre──香りを宿す小さな果実の飾りです。
“フルーツポマンダー”とは中世ヨーロッパで、香りによって邪気を払う“お守り”として親しまれてきたもの。
柑橘の皮にクローブを刺し込み、シナモンやナツメグをまとわせ、じっくり乾燥させてつくる香り玉です。
時が経つほどにスパイスが馴染み、深くあたたかな香りへと育っていきます。

先日、オレンジポマンダーを実際に制作しました。
手を動かしながら立ちのぼる甘くスパイシーな香りは、まさに冬の訪れそのもの。
乾燥が進むと表情が変わり、自然素材ならではの“育つ飾り”として楽しめるのも魅力です。
先日つくったオレンジポマンダーも、すっかり乾燥して良い表情に育ちました。
10月に仕込んだもので、オレンジがしっかり固く締まり、スパイスの香りも深くまろやかに..
仕上げにグリーンのリボンをかけると、一気に冬らしい佇まいになりました。
(写真:10月に作成したオレンジポマンダー。乾燥が進み、艶のある深いブラウンに。)
ショップのアクセサリーも、こうした伝統的な手仕事や温かな素材感と季節を感じながらデザインしています。
冬の空気に似合う光沢や、スパイスカラーのアクセント…。
ポマンダーのように、そっと季節を運んでくれる存在になれたら嬉しいです。
今年のクリスマス、香りとともに小さな手仕事の物語を。
